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Claude Code Web版・スマホ完全ガイド|claude.ai/code・iOSアプリ・Remote Controlの使い分け

Claude Code をターミナル以外から使う5つの入口を1枚で整理。Web版(claude.ai/code)のクラウド環境、スマホ(iOS/Android)からの操作、Remote Control の設定、企業導入の管理者設定まで、2026年9月時点の公式情報と実機検証で解説します。

Claude Code Web版・スマホ完全ガイド|claude.ai/code・iOSアプリ・Remote Controlの使い分け

「移動中にレビューだけ済ませたい」「PC を開けない日に、動いている作業へ一言だけ指示を足したい」「そもそもローカル環境を作らずに試したい」── Claude Code を使い込むほど、ターミナルの前にいない時間をどうするかが課題になります。

Anthropic はこの数か月でこの領域に複数の答えを出しており、2026 年 9 月時点で ターミナル以外の入口は 5 系統あります。ところが検索してみると、多くの記事が「Web 版」と「スマホ」を別々に、しかも 1〜2 系統だけ切り出して説明しているため、「結局どれを使えばいいのか」がわからない状態になっています。

本記事は、この 5 系統を 1 枚の判断マトリクスに束ね、選ぶ軸を 2 つの問いに圧縮することを目的にしています。仕様・料金はすべて Anthropic 公式ドキュメントを原典として節ごとに URL を明記し、「2026 年 9 月時点」と付記しました。加えて、手元の Claude Code v2.1.145 で実際にコマンドを叩いた結果も掲載しています(実機で確認した内容と、ドキュメント記載の内容は明確に書き分けています)。

なお、デスクトップアプリ本体の使い方Claude Code デスクトップアプリの並列セッション活用スケジュール実行やクラウドでの自動化Claude Code Routines によるスケジュール実行で扱っています。本記事はそれらへの導線に留め、重複しては書きません。

この記事を読むとわかること

  • Claude Code を「ターミナル以外」から使う 5 つの入口と、その選び方が 2 つの問いで決まること
  • 「Claude の Web 版」と「Claude Code の Web 版」がまったく別物であること
  • Claude Code on the web(claude.ai/code)のクラウド環境の実体(スペック・引き継がれる設定・ネットワーク制限)
  • スマホ(iOS / Android)から操作する 3 つの経路と、その選び分け
  • Remote Control の起動方法・セキュリティモデル・制限
  • 手元の v2.1.145 で実際に何が動いて何が動かなかったか(再現コマンドつき)
  • Team / Enterprise で管理者が握っている 8 つのトグルと、「そもそも使えない」3 つの条件

結論 ── 入口は 5 つ、選ぶ軸は 2 つの問いだけ

Claude Code の「ターミナル以外の入口」は、2026 年 9 月時点で 5 系統あります。 そして選び方は、次の 2 問に答えるだけで決まります。

  1. ローカル環境(自分の PC のファイル・ツール・MCP サーバー・社内ネットワーク)が必要か?
  2. いま自分の PC は起動しているか?

この 2 問は、コードがどこで実行されるかだけを決めます。なお本記事では、Anthropic のクラウド VM 上で 1 タスク分だけ立ち上がる実行単位をクラウドセッションと呼びます。

ローカル環境が要る?PC は起動している?コードが動く場所取る手段
要らないどちらでもAnthropic のクラウド VMClaude Code on the web
要る起動している自分のマシンRemote Control(Desktop アプリなら Dispatch も。ただし Pro / Max 限定)
要る起動していない該当なしPC を起動するか、クラウドで完結する範囲まで作業を分解する

そして操作するクライアントは、どちらを選んでも共通です。ブラウザ(claude.ai/code)・Claude モバイルアプリ・Desktop アプリの 3 つがあり、実行場所とは独立に選べます。

本記事で「入口 5 系統」と呼ぶのは、Anthropic が公式に用意している次の 5 つの経路です。ただしこれらは同じ階層に並ぶものではありません。

経路階層
Claude Code on the web実行環境(Anthropic のクラウド VM)
Remote Control実行環境(自分のマシン。CLI / VS Code がホスト)
Desktop アプリ実行環境(自分のマシン。Desktop がホスト。クラウドセッションも扱える)
DispatchDesktop にセッションを生やす起動方法
Claude モバイルアプリ上記を操作するクライアント

※ Desktop アプリは実行環境であると同時に操作画面でもあります。ブラウザ・モバイルアプリが「クライアント専用」なのに対し、Desktop はホストにもクライアントにもなる点だけ覚えておいてください。

この 5 つが横並びに語られることが、混乱の最大の原因です。 階層が違うと分かってしまえば、選択は「実行環境を 3 つから選び、クライアントは好きなものを使う」だけになります。

言い換えると、「コードがどこで実行されるか」だけが本質的な違いです。Anthropic のクラウドで動くのが Claude Code on the web、自分のマシンで動くのが Remote Control と Dispatch、そして Web・モバイルアプリはどちらの場合も「その実行環境をのぞく窓」に過ぎません。公式ドキュメントもこの点を明言しており、Remote Control について「Web およびモバイルインターフェースは、そのローカルセッションへのウィンドウにすぎません」と説明しています(Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。

迷ったときの実務的な順序は次のとおりです。まず Claude Code on the web を試し(セットアップが一番軽い)、社内ツールや未コミットの設定が必要だとわかった時点で Remote Control に降りる。この順序なら、無駄な環境構築をせずに済みます。

なお、「決まった時刻に自動で走らせたい」「PR が開いたら自動でレビューさせたい」という要件は、本記事の 5 系統ではなくRoutines のスケジュール実行と GitHub Webhook 起動の担当領域です。人が操作する話ではないため、以降では扱いません。同様に、Slack の @Claude メンションや Channels(Telegram / Discord / iMessage の転送)も公式にはターミナル以外の入口ですが、チャットツール側の運用設計が主題になるため本記事の範囲外とします。

用語の整理 ── 「Claude の Web 版」と「Claude Code の Web 版」は別物

検索で最も混乱が起きているのがここです。「Claude Web 版」と「Claude Code Web 版」は、名前が似ているだけでまったく別の製品機能です。

観点Claude(claude.ai のチャット)Claude Code on the web(claude.ai/code)
何をするもの文章の相談・調査・要約などの対話ソースコードの読み書き・テスト実行・PR 作成
対象会話とアップロードしたファイルGitHub リポジトリ全体
実行環境なし(対話のみ)Anthropic 管理の隔離された仮想マシン
成果物チャットの返答GitHub のブランチ・プルリクエスト
URLclaude.aiclaude.ai/code

「Claude Code をブラウザで使う」と言ったとき、指しているのは後者です。 前者は、コードを書かない業務での使い分けの話であり、Claude Codeとは(非エンジニアでも使える実践タスク)の「ChatGPT・Claude Web版との使い分け」で扱っています。本記事で「Web 版」と書いたときは、すべて claude.ai/code の Claude Code on the web を指します。

ついでにもう一点。Claude Code 専用のモバイルアプリは存在しません。 スマホから使う場合も、入れるのは通常の Claude アプリです(モバイルの Claude Code、2026 年 9 月時点)。

もう一組、混同されやすいのが Claude Code on the webRemote Control です。どちらも同じ claude.ai/code という画面を使うため、見た目では区別がつきません。違いは実行場所だけです。公式ドキュメントは「Remote Control と Web 上の Claude Code の両方が claude.ai/code インターフェースを使用します。主な違いはセッションが実行される場所です」と説明しています(Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。

  • Claude Code on the web = Anthropic のクラウド VM でコードが動く
  • Remote Control = 自分のマシンでコードが動き、それを遠隔から操作する

セッション一覧の中では、Remote Control のセッションはオンラインのときにコンピュータのアイコンと緑色のステータスドットが付くので見分けられます(Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。

入口別マトリクス ── 実行構成 4 つを横並びにする

ここが本記事の中核です。コードが実際に動く構成を 4 つ取り出し、実務で効いてくる軸で横並びにします。前節の階層表のうち実行環境 3 つに加え、Dispatch はプラン条件と承認の扱いが Desktop 単独と異なるため独立した行にしています。5 系統の残り 1 つである Claude モバイルアプリは操作クライアントであり、どこに接続しているかで値がすべて決まるため、この表には含めていません。公式ドキュメントにも入口の比較表はありますが、課金・セッション共有・データ所在を横断した表は存在しないため、複数の一次ソースを突き合わせて作成しました。

できること・できないこと

入口コードが動く場所ローカル設定を使えるかGitHub 必須か切断しても動き続けるか
Claude Code on the webAnthropic クラウド VMいいえ(リポジトリにコミットされたものだけ)はい(または CLI からローカルリポジトリをバンドル送信)はい
Remote Control自分のマシン(CLI / VS Code)はい(ファイル・MCP・ツールすべて)いいえターミナルが開いている間だけ
Desktop アプリ自分のマシン または クラウド VMローカルセッションは はい/クラウドは いいえクラウドセッションのみセッション種別による
Dispatch自分のマシン(Desktop)はいいいえDesktop が動いている間

※ Dispatch 行は、Dispatch が Desktop のローカルセッションを生成する仕組みであることからの帰結です(Dispatch 固有の記載は公式にありません)。

(出典: Claude Code をウェブで始めるRemote ControlDesktop application。いずれも 2026 年 9 月時点)

課金・プラン・権限モード・データ所在

入口対象プラン追加課金使える権限モードコードとファイルの所在
Claude Code on the webPro / Max / Team、およびプレミアムシートまたは Chat + Claude Code シートを持つ Enterprise(リサーチプレビュー)クラウド VM への個別のコンピュート料金なし。ただしレート制限は他の Claude 利用と共有Accept edits / Plan / Auto(Manual と Bypass は使えないAnthropic 管理 VM
Remote ControlPro / Max / Team / Enterprise(リサーチプレビュー)。API キーは非対応なしManual / Accept edits / Plan自分のマシン。ただしセッションのトランスクリプトは Anthropic サーバーに保存される
Desktop アプリPro / Max / Team / Enterprise の有料サブスクリプションなしローカルは Manual / Accept edits / Plan / Auto(Bypass は条件付き)。クラウドセッションは Accept edits / Plan / Auto のみローカル または クラウド VM
DispatchPro または Max のみ。Team / Enterprise では利用不可なしDispatch 固有の記載はなく、Desktop セッションに準じると解される自分のマシン

Desktop アプリの Bypass permissions は条件付きです。 ローカルセッションではモードセレクタに表示されますが、Pro / Max では Settings のトグルで有効化する必要があり、Team / Enterprise では組織ポリシーが可否を制御します。クラウドセッションでは「クラウド環境が既にサンドボックス化されているため」利用できません。また CLI 専用の dontAsk モードは Desktop にはありません。

プラン要件には、表に収まらない前提が 2 つあります。 ひとつは出典の性格で、Desktop アプリのプラン条件は独立した要件節ではなく、Code タブで Error 403: Forbidden が出たときの確認手順として「アクティブな有料サブスクリプション(Pro、Max、Team、または Enterprise)があることを確認します」と示されています。もうひとつは適用範囲で、Amazon Bedrock / Google Cloud の Agent Platform / Microsoft Foundry / 自己ホスト型 LLM ゲートウェイ上で Code タブを動かすサードパーティ(3P)デプロイメントは別系統として案内されているため、上の表のプラン要件はそのまま当てはまりません

(出典: Claude Code をウェブで始めるウェブ上の Claude Code を使用するRemote ControlDesktop application。いずれも 2026 年 9 月時点)

Dispatch だけがプラン条件が逆転している点に注意してください。ほかの入口は Team / Enterprise でも(管理者が有効にすれば)使えますが、Dispatch は Pro / Max 専用で、Team / Enterprise プランでは利用できないと明記されています(Desktop application | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。組織で標準化を考えるなら、Dispatch は選択肢から外れます。

セッション共有の可視性

ここは企業利用で最も見落とされやすい軸です。 セッションの共有オプションは、アカウント種別によって選択肢そのものが変わります。

アカウント可視性の選択肢リポジトリアクセス検証
Enterprise / TeamPrivate / Team(claude.ai 組織の他メンバーに表示)デフォルトで有効。受信者のアカウントに接続された GitHub アカウントに基づく
Max / ProPrivate / Public(claude.ai にログインしているすべてのユーザーに表示)デフォルトで有効になっていない

つまり、個人の Pro / Max プランで社用リポジトリを触り、そのセッションを Public にすると、リポジトリへのアクセス権がない相手にもセッションの中身が見える構図になります。公式ドキュメントも「共有する前にセッションで機密コンテンツを確認してください。セッションにはプライベート GitHub リポジトリのコードと認証情報が含まれる可能性があります」と警告しています(ウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)。Pro / Max では Settings → Claude Code → Sharing settings で、受信者にリポジトリアクセスを要求する設定に変更できます。

Claude Code on the web ── 環境構築なしでクラウドで動かす

Claude Code on the web は、claude.ai/code から GitHub リポジトリを指定してタスクを投げると、Anthropic が管理する隔離仮想マシンでリポジトリをクローンし、変更・テスト実行・ブランチのプッシュまでを行う機能です。 前掲のクラウドセッション 1 件ごとに、専用の仮想マシンとブランチが割り当てられます。ローカルに Node.js も Claude Code CLI もインストールする必要がありません(ローカル CLI の導入手順はClaude Codeの導入・インストールを参照してください)。

2026 年 9 月時点でリサーチプレビュー段階であり、対象は Pro / Max / Team ユーザー、およびプレミアムシートまたは Chat + Claude Code シートを持つ Enterprise ユーザーです。公式ドキュメントが列挙しているのはこの範囲のみで、無料プランは含まれていません(ウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)。プラン全体の違いはClaude Code料金プランの違いと選び方で整理しています。

セットアップ ── 一度きりの 4 ステップ

すでに GitHub CLI(gh)を使っている場合は、ブラウザを開かずにターミナルから設定できます。Claude Code CLI 内で /web-setup を実行すると、ローカルの gh トークンが Claude アカウントに同期され、クラウド環境が無ければ既定の環境も作成されます。ただし Zero Data Retention が有効な組織は /web-setup を含むクラウドセッション機能を使用できませんClaude Code をウェブで始める、2026 年 9 月時点)。

GitHub アクセス範囲の落とし穴

セットアップ時に見落とされがちですが、クラウドセッションがアクセスできる範囲は「Claude GitHub App をインストールしたリポジトリ」ではありません。 公式ドキュメントは次のように明記しています。

どちらの方法でも、クラウドセッションは Claude GitHub App がインストールされているリポジトリだけでなく、接続している GitHub アカウントが見ることができるすべてのリポジトリにアクセスできます。App インストールは Auto-fix の PR webhook を有効にします;これはセッションレベルのアクセス制御ではありません。 (ウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)

つまり App のインストール範囲を絞ってもアクセス制御にはなりません。 範囲を絞りたい場合は、接続する GitHub アカウント側のチーム・リポジトリメンバーシップを制限する必要があります。情シスが「App を 1 リポジトリだけに入れたから安全」と判断すると、前提が崩れます。

クラウド環境の実体

各セッションは、リポジトリがクローンされた新しい Anthropic 管理 VM で実行されます。スペックは概算上限として次の値が公開されています(変動しうる旨も明記されています)。

項目
vCPU4
メモリ16 GB
ディスク30 GB
OSUbuntu 24.04(セットアップスクリプトは root 実行)

大規模ビルドやメモリを大量に使うテストはこの上限で失敗する可能性があり、公式ドキュメントはその場合 Remote Control で自分のハードウェアを使うよう案内しています。

プリインストールされているのは、Python 3.x(pip / poetry / uv / black / mypy / pytest / ruff)、Node.js 20・21・22(nvm 経由。npm / yarn / pnpm / bun / eslint / prettier / chromedriver)、Ruby 3.1〜3.3、PHP 8.4、OpenJDK 21(Maven / Gradle)、Go、Rust、C/C++(GCC / Clang / cmake / ninja / conan)、Docker 一式、PostgreSQL 16、Redis 7.0、および git / jq / yq / ripgrep / tmux / vim / nano などです。gh CLI はプリインストールされていません。

ただし bun は「インストール済みだが、パッケージ取得に関して既知のプロキシ互換性の問題がある」と注記されています。クラウドセッションのアウトバウンド通信はセキュリティプロキシを通るため、bun 前提のプロジェクトはここで詰まります。

PostgreSQL と Redis はインストール済みですが既定では起動していません。セッション中に起動を依頼する必要があります。

(出典: ウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)

「引き継がれる設定」と「引き継がれない設定」

ここが実務で最もつまずく箇所です。リポジトリにコミットされているものは引き継がれ、自分のマシンにしかないものは引き継がれません。

設定クラウドセッションで有効か
リポジトリの CLAUDE.mdはい
リポジトリの .claude/settings.json のフックはい
リポジトリの .mcp.json の MCP サーバーはい
リポジトリの .claude/rules/はい
リポジトリの .claude/skills/.claude/agents/.claude/commands/はい
.claude/settings.json で宣言したプラグインはい(マーケットプレイスへのネットワークアクセスが必要)
ユーザーの ~/.claude/CLAUDE.mdいいえ
ユーザーの ~/.claude/skills/agents/commands/いいえ(ただし claude.ai で有効にしたスキルはクラウドセッションに自動でロードされる)
組織のサーバー管理設定はい(セッション開始時に Anthropic のサーバーから取得。MDM や管理設定ファイルで端末に配ったものは、VM 上で動くため適用されない)
ユーザー設定でのみ有効にしたプラグインいいえ
claude mcp add で追加した MCP サーバーいいえ.mcp.json で宣言すること)
静的な API トークン・認証情報いいえ(専用シークレットストアが存在しない)
AWS SSO のような対話型認証いいえ(ブラウザログインが実行できない)

(出典: ウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)

「ローカルでは動くのにクラウドセッションだと挙動が違う」の原因は、ほぼこの表のどこかにあります。チームで使うなら、~/.claude/ に置いていた設定をリポジトリの .claude/ に移すのが先決です。

環境変数とセットアップスクリプトは環境設定に保存されますが、公式ドキュメントは「その環境を編集できる誰もが見ることができます」と注意しています。専用のシークレットストアはまだ存在しないため、本番の認証情報を置く場所ではありません。

ネットワークアクセスの 4 レベル

クラウド環境からのアウトバウンド接続は、環境ごとに 1 つのレベルを選びます。

レベルアウトバウンド接続
Noneアウトバウンドネットワークアクセスなし
Trusted(既定)許可リストドメインのみ(パッケージレジストリ・GitHub・クラウド SDK)
Full任意のドメイン
Custom独自の許可リスト(既定リストを含めるかを選択可)

既定の Trusted には npm・PyPI・RubyGems・crates.io・Go モジュールプロキシ・Maven・Docker Hub・各種 Linux ディストリビューションなどが含まれます。環境を None にすると、パッケージインストールを含むセットアップスクリプトは失敗します。

なお、許可ドメインは環境ごとの設定であり、組織レベルで全ユーザーの環境に配布する許可リストは存在しませんウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)。ここはガバナンス設計で誤解されやすい点です。

Web 版でできないこと

  • Manual / Bypass の権限モードが使えない(Accept edits / Plan / Auto のみ)
  • gh CLI がプリインストールされていない(必要ならセットアップスクリプトで導入)
  • カスタム Docker イメージでベースイメージを置き換えられない
  • /plugin/resume などターミナル専用コマンドが使えない/clear もクラウドセッションでは不可で、サイドバーから新しいセッションを開始します(後述の Remote Control では /clear は動きます。同じ claude.ai/code の画面でも実行場所が違えば挙動も違う点に注意してください)
  • GitLab / Bitbucket などへは結果をプッシュバックできない(ローカルバンドルとして送ることは可能。制約は次項)
  • セットアップスクリプトの実行時間は約 5 分以内が目安で、超えるとセッションがタイムアウトしうる。環境のスナップショットは約 7 日でキャッシュが失効し再実行される

(出典: ウェブ上の Claude Code を使用するClaude Code をウェブで始める。いずれも 2026 年 9 月時点)

ローカルバンドル送信の制約

GitHub に接続していないリポジトリから claude --cloud を実行すると、Claude Code はローカルリポジトリをバンドルしてクラウドセッションへ直接アップロードします。GitLab / Bitbucket のリポジトリをクラウドで動かす唯一の経路ですが、「とりあえず送れば動く」わけではありません。

制約内容
コミット1 つ以上のコミットを持つ git リポジトリであること
サイズ100 MB 未満。超えると現在ブランチのみ → ワーキングツリーの単一の圧縮スナップショット、と段階的にフォールバックし、それでも大きければ失敗
未追跡ファイル含まれない。クラウドセッションに見せたいファイルは事前に git add しておく
プッシュバックGitHub 認証も設定していない限り、リモートに戻せない

セキュリティ上いちばん注意が要るのは、認証情報らしき名前のファイルの扱いです。 macOS / Linux / WSL では、.env・Terraform の *.tfvarsid_rsa*.pem といったファイルのコミットされていない変更はアップロードから除外され、除外されたファイル名が表示されます。ただし公式ドキュメントは、リンクされたワークツリー・サブモジュールなどの構成では、これらの変更も他のファイルと一緒にアップロードされる(この場合はアップロードしたファイル名が表示される)と明記しています。worktree で作業しながらバンドル送信する運用では、ここが例外になる点を押さえてください。

(出典: ウェブ上の Claude Code を使用する。ワークツリー・サブモジュールの例外は 2026 年 9 月時点で日本語版に未反映のため、英語版 を参照。いずれも 2026 年 9 月時点)

スマホから使う ── クラウド・Remote Control・Dispatch の 3 経路

「Claude Code をスマホで使う」には、まったく違う経路が 3 つあります。 ここを区別せずに手順だけ真似ると、期待した動作になりません。

この 3 分類は公式ドキュメントと同じです。Anthropic は「Claude アプリ for iOS と Android は、コードが実行される場所ではなく、Claude Code セッションのクライアントです」としたうえで、接続先をクラウドセッション/リモートコントロール/Dispatch の 3 つに整理しています(モバイルの Claude Code、2026 年 9 月時点)。

どれを選ぶかの基準は入口別マトリクスと同じ(コードがクラウドで動くのか自分のマシンで動くのか)なので、ここではスマホ特有の判断だけを補足します。

比較軸経路 A: クラウドセッション経路 B: Remote Control経路 C: Dispatch
向いている場面PC が手元にない、あるいは新しいタスクをゼロから投げたいすでに PC で走らせている作業へ、外出先から指示や承認を足したい手元の Desktop アプリに、スマホから新しい作業を始めさせたい
スマホ側の固有操作リポジトリ/ブランチの選択、1 セッションへの複数リポジトリ追加@ でのローカルファイル補完、プッシュ通知からの承認Claude アプリから Dispatch にタスクをメッセージするだけ
前提なし(PC 不要)PC で Remote Control セッションが動いていることPC で Desktop アプリが動いていること。モバイルアプリと Desktop のペアリングが必要Pro / Max プラン限定

経路 A と B では、スマホ側の操作画面は同じです。Claude モバイルアプリ(iOS / Android)を開き、ナビゲーションの Code をタップするとセッションリストに到達します。ブラウザで claude.ai/code を開いても同じです。アプリを持っていない場合は、Claude Code 内で /mobile を実行するとダウンロード用の QR コードが表示されます。

経路 A: クラウドセッション ── スマホだけで完結させる

手順は PC のブラウザと同じです。Code タブでリポジトリとブランチを選び、権限モードを確認し、日本語でタスクを書いて送るだけです。1 つのセッション内で複数リポジトリを追加することもできます。

タブを閉じても、アプリを閉じても、セッションは止まりません。 公式ドキュメントは「これは仕様です。タブを閉じたり、移動したりしてもセッションは停止しません」と明記しています(Claude Code をウェブで始める、2026 年 9 月時点)。移動中に投げて、着いてから結果を見る、という使い方が成立します。

経路 B: Remote Control ── PC のセッションを操る

PC 側で Remote Control を有効にしたセッションを起動しておくと、スマホからそのセッションに入り込めます。ローカルのファイルシステム・MCP サーバー・ツール・プロジェクト設定がすべてそのまま使えるのが最大の利点で、スマホ側で @ を入力するとローカルプロジェクトのファイルパスが補完されます。

PC 側で起動してから、スマホで読み取るまでの手順は次のとおりです。

経路 C: Dispatch ── Desktop にタスクを投げる

Desktop アプリを使っている場合は、3 つめの経路があります(事前にモバイルアプリと Desktop のペアリングが必要です)。Dispatch は Claude Desktop の Cowork タブに常駐する Claude との永続的な会話で、そこにタスクをメッセージすると、開発作業だと判断されたものが Code タブのセッションとして自動的に生成されます。「Claude Code セッションを開いてログインバグを修正して」のように直接依頼することもできます。生成されたセッションはサイドバーに Dispatch バッジ付きで表示され、完了時または承認が必要なときにスマホへプッシュ通知が届きます。

ただし前掲のとおり Dispatch には Pro または Max プランが必要で、Team / Enterprise プランでは利用できません。 また、Dispatch が生成したセッションでコンピュータ使用(Claude に PC のアプリを操作させる機能)を有効にした場合、そのアプリ承認は 30 分で失効し、通常の Code セッションのようにセッション全体を通しては有効になりません(ファイル編集やコマンド実行の通常の承認とは別の話です)。調査・ドキュメント編集・スプレッドシート作業は Code に回されず Cowork 側に留まります(Desktop application | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。

外出先から承認する ── プッシュ通知の設定(経路 B・C 共通)

外出先での「承認」は、経路 B と経路 C の両方で効きます。 Remote Control がアクティブなとき、Claude はスマホにプッシュ通知を送れます。ターミナルで /config を実行し、Push when Claude decides(長時間タスクの完了など Claude が判断したとき)と Push when actions required(許可プロンプトや質問が必要なとき)を有効にします。プロンプトの中で「テストが終わったら通知して」と依頼することもできます。Dispatch が生成したセッションも、完了時と承認が必要なときにスマホへ通知を出します。

なお、ターミナルに入力中またはターミナルにフォーカスしている間、モバイルプッシュ通知はスキップされます。席にいるあいだ通知が飛んでこないのは仕様です。

モバイル・Web での制約 ── コマンドと権限モード

見落とされやすい制約です。ターミナル UI を前提としたコマンドは、スマホや Web からは動きません。

下表は Remote Control セッション(=自分のマシンで動いているセッション)にモバイル / Web から接続した場合の挙動です。クラウドセッションでは一部が異なります。

分類コマンドRemote Control 接続時のモバイル / Web での挙動
ローカル CLI 限定/plugin/resume引数の有無にかかわらず動かない
テキスト出力で動く/compact/clear/context/usage/exit/usage-credits/recap/reload-plugins動く(ダイアログではなくテキスト形式で実行)。ただし /clear はクラウドセッションでは使えない(サイドバーから新セッションを開始する)
引数を渡す形式/model/effort/fast/color/renameピッカーやスライダーの代わりに /model sonnet のように値を引数で渡す。クラウドセッション側でこの引数形式を使うには v2.1.205 以降が必要
部分的に動く/mcpモバイルはサーバーステータスのテキスト概要を返す。Web は claude.ai コネクタのディレクトリを開く
部分的に動く/configモバイルは key=value で設定。Web は Claude Code セクションの設定画面を開く

(出典: Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)

モバイルアプリから選べる権限モードにも追加の制約があります。 使えるモード自体は前掲の課金・プラン表のとおりですが、公式ドキュメントはそのうえで「どちらの場合でもアプリから Bypass permissions を選択することはできず、リモートコントロールセッションの Auto を選択することもできません」と述べています(モバイルの Claude Code、2026 年 9 月時点)。Remote Control のモード一覧にもともと Auto は含まれないため、この一文は「アプリ側からモードを上げることはできない」と読めば十分です。権限モードは PC 側で決めておく、と覚えておいてください。

スマホからファイルや画像を送ることもできます。Claude アプリまたは claude.ai/code に添付ファイルを追加すると、Claude Code がそれをマシンにダウンロードし、@ ファイル参照として渡します。スクリーンショットを撮って「これを直して」と送る運用が可能です。

Remote Control 詳解 ── ローカルセッションを外から操る

Remote Control は、自分のマシンで動いている Claude Code のセッションに、claude.ai/code または Claude モバイルアプリから接続して操作する機能です。 2026 年 9 月時点でリサーチプレビュー段階です。公式ドキュメントは冒頭で「すべてのプランで利用可能」と書く一方、要件の節では Pro / Max / Team / Enterprise を列挙しており、無料プランへの明示的な言及はありません。また Team および Enterprise では管理者が有効化するまで既定でオフです。

要件

  • サブスクリプション: Pro / Max / Team / Enterprise。API キーはサポートされていません
  • 認証: claude を実行し /login で claude.ai 経由のサインインが必要
  • API エンドポイント: Amazon Bedrock、Google Cloud の Agent Platform、Microsoft Foundry では利用不可。v2.1.196 以降は ANTHROPIC_BASE_URLapi.anthropic.com 以外(LLM ゲートウェイやプロキシ)を指していると無効
  • ワークスペース信頼: 対象ディレクトリで最低 1 回 claude を実行し、信頼ダイアログを受け入れておく

この 4 条件のうち企業で最初に引っかかるのは 3 番目です。 LLM ゲートウェイ経由に接続先を統一している組織では、Remote Control と両立しません。ここは導入判断の前提条件になります。

起動の 3 つの方法

CLI からの起動方法は 3 つあり、どれを選ぶかで「ターミナルでも入力できるか」「会話履歴を引き継ぐか」が変わります。

方法コマンド特徴
サーバーモードclaude remote-controlプロセスが待ち受け続ける。複数セッションを 1 プロセスで提供できる
対話型セッションclaude --remote-control--rcターミナルでも普通に入力しながら、外からも操作できる
既存セッションから/remote-control/rc現在の会話履歴を引き継いで Remote Control を開始する

VS Code 拡張からも /remote-control/rc)で開始できます。プロンプトボックスの上に接続ステータスのバナーが出ますが、CLI と違って名前引数を受け取らず、QR コードも表示されません。

サーバーモードの主なフラグは次のとおりです。

フラグ説明
--name "My Project"claude.ai/code のセッションリストに表示される名前
-c / --continueこのディレクトリの最新 Remote Control セッションを再開(v2.1.200 以降)
--session-id <id>特定のセッションを ID で再開(v2.1.200 以降)
--spawn <mode>same-dir(既定・全セッションが同じ作業ディレクトリを共有)/ worktree(セッションごとに git worktree を割り当て)/ session(1 セッションのみ提供)
--capacity <N>同時セッションの最大数。既定 32
--sandbox / --no-sandboxファイルシステムとネットワークの分離。既定はオフ

--spawn=same-dir が既定である点は注意が必要です。同じディレクトリを共有するため、同じファイルを編集するセッションどうしは競合しえます。 並列で回すなら --spawn=worktree を選びます(分離の仕組みそのものはClaude Code の git worktree による並列化で解説しています)。

(要件・起動経路・フラグの出典: Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)

セキュリティモデル

企業で説明を求められたときに使える整理です。

  • インバウンドポートを開かない: ローカルの Claude Code はアウトバウンド HTTPS リクエストのみを行い、マシン上のインバウンドポートを開きません。必要なのはポート 443 での Anthropic API へのアクセスだけです
  • すべて TLS: トラフィックは TLS 経由で Anthropic API を通り、通常の Claude Code セッションと同じトランスポートセキュリティです
  • 短命の資格情報: 接続は複数の短命な認証情報を使い、各認証情報は単一の目的にスコープされ独立に期限切れになります
  • 実行とファイルはローカルに留まる: コード実行とファイルシステムアクセスは自分のマシン上です
  • ただしトランスクリプトは保存される: 「Remote Control が接続されている間、セッショントランスクリプト(メッセージ、Claude の応答、ツールアクティビティを含む)は Anthropic サーバーに保存されます」と明記されています。デバイス間の同期と再接続のためです

(出典: Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)

「ファイルは外に出ない」は正しいが、「何も外に出ない」は誤りです。 稟議や情シスへの説明では、トランスクリプトが Anthropic サーバーに保存される点を明示しておくと後で揉めません。完全にオフにしたい場合は disableRemoteControl 設定を使います。また、Zero Data Retention などのコンプライアンス要件を持つ組織は Remote Control を有効にできません。

信頼できるデバイス(Trusted Devices)

Team / Enterprise 向けのベータ機能で、既定はオフです。有効にすると、Remote Control セッションを表示・操作する前に次の両方が必要になります。

  1. 登録されたデバイス: 使用する各ブラウザ・スマホ・デスクトップアプリが個別に認証情報を登録する。登録は完全なサインインの直後にのみ提供される
  2. 最近のサインイン: サインインが 18 時間以内であること。超えた場合は Face ID / Touch ID / Windows Hello / パスキーで存在を確認する

生体認証はデバイス上で OS またはブラウザが実行し、Anthropic は指紋・顔データなどの生体情報を受け取りも保存もしません。保存されるのはデバイスの公開鍵と表示名・プラットフォーム・登録時刻などのメタデータのみです。この設定は Remote Control にのみ適用され、通常の Claude チャット・ターミナルの Claude Code・API 利用には影響しません。

制限

制限内容
1 プロセス 1 セッションサーバーモード以外では、各 Claude Code インスタンスは同時に 1 つのリモートセッションのみ
ローカルプロセスの生存が前提ターミナルを閉じる、VS Code を終了する、claude プロセスを止めるとセッションは終了する
ネットワーク断でタイムアウトマシンが起動していてもおよそ 10 分以上ネットワークに到達できないとセッションはタイムアウトして終了する
ultraplan と排他ultraplan セッションを開始すると、アクティブな Remote Control セッションは切断される

「外出先で試したら切れていた」の多くは、3 行目の 10 分ルールが原因です。

(信頼できるデバイス・制限の出典: Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)

実機検証 ── v2.1.145 で何が動き、何が動かなかったか

ここは、公式ドキュメントが書いていない「特定のバージョンで実際にどう動くか」を確かめた、本記事独自の検証結果です。 仕様そのものはドキュメントに書かれていますが、ドキュメントは常に最新版を前提に書かれるため、手元のバージョンでその記述が成立するかは別問題です。2026 年 9 月 6 日、macOS 上の Claude Code v2.1.145 で、本記事に登場するコマンドを実際に叩きました。以下はすべて手元で実行した結果であり、再現可能です。ここに記載していない仕様はすべて「公式ドキュメント記載」であり、実機で確認したものではありません。

検証 1: バージョンの確認

claude --version
# 2.1.145 (Claude Code)

検証 2: claude remote-control は組織ポリシーで弾かれた

claude remote-control
# Error: Your organization requires Trusted Devices for Remote Control,
# but this device is not enrolled. Please run `/login` in Claude Code to enroll this device.

前節で説明した Trusted Devices が有効な組織では、CLI 側の claude remote-control がそもそも起動しません。

このエラー文言も対処法も、公式ドキュメントに載っています。 書かれていないのは「いつこれに当たるか」です。ドキュメントは「Claude Code を実行しているマシンは、開発者が CLI にサインインするときに独自の認証情報を自動的に受け取ります。ターミナルに別の登録ステップはありません」と説明しています(Remote Control | Claude Code Docs、2026 年 9 月時点)。

ところがこの環境はすでにサインイン済みで、通常の Claude Code は問題なく動いている状態でした。それでも Remote Control だけが未登録として弾かれています。つまり「サインイン済みだから大丈夫」とは限らず、/login をやり直すまで Remote Control が使えない端末が存在しうるということです。企業導入で最初にぶつかる壁がここであることを、手元で確認できたことになります。解決策はエラーメッセージのとおり Claude Code 内で /login を実行してデバイスを登録することです。

検証 3: --cloud はこのバージョンに存在しなかった

公式ドキュメントは、ターミナルからクラウドセッションを起動するフラグを --cloud と記載し、「古い --remote スペルは --cloud の非推奨エイリアスとしてまだ機能します」と説明しています。ところが手元では逆でした。

claude --help | grep -c -- --cloud
# 0

claude --cloud --zzz-nope
# error: unknown option '--cloud'

claude --remote --zzz-nope
# error: unknown option '--zzz-nope'

3 番目のコマンドがポイントです。存在しないダミーフラグ --zzz-nope を一緒に渡すと、パーサーは認識できない方についてエラーを返します。--cloud を渡したときは --cloud 自体が不明と言われ、--remote を渡したときはダミーの方が不明と言われた ── つまり v2.1.145 では --remote は存在し、--cloud は存在しません。 ドキュメントが記述しているリネームが、このバージョンにはまだ届いていないということです。

検証 4: ヘルプに出ないが動くフラグがある

claude --teleport --zzz-nope
# error: unknown option '--zzz-nope'   ← --teleport は認識されている

claude --rc --zzz-nope
# error: unknown option '--zzz-nope'   ← --rc も認識されている

一方で claude --help のオプション一覧に載っていたのは --remote-control--remote-control-session-name-prefix だけで、--teleport はヘルプに出てきません。「ヘルプに無いから使えない」と判断すると取りこぼします。

この検証から言えること

「ドキュメントどおりに叩いたのに動かない」の最頻原因は、仕様ではなく手元のバージョンです。 Remote Control とクラウドセッション関連だけでも、公式ドキュメントには次のようなバージョン境界が並んでいます。

機能必要バージョン
/mcp がモバイルからテキスト概要を返すv2.1.166 以降
/config がモバイルから key=value で使えるv2.1.181 以降
claude remote-control--continue / --session-idv2.1.200 以降
再接続時の余分なセッションが残らないv2.1.200 以降
「Enable Remote Control for all sessions」設定v2.1.203 以降
クラウドセッションで /model などを引数形式で使えるv2.1.205 以降
Desktop ホストのセッションでサブエージェント / ワークフローの進捗が接続デバイスに届くv2.1.207 以降
対話型ターミナルホストのセッションで、接続時に実行中のサブエージェント / ワークフローが表示されるv2.1.208 以降

手元の v2.1.145 は、この表のすべてを下回っています。 検証で --cloud が無かったのも同じ理由です。うまくいかないときは、機能の可否を疑う前に claude --version を確認し、最新版に更新してから再現するのが最短です。エラーの切り分け全般はClaude Codeのエラー対処法・トラブルシューティングにまとめています。

Web とターミナルを行き来する

ここには非対称性があります。公式ドキュメントは「CLI からのセッションハンドオフは一方向です」と明言していますウェブ上の Claude Code を使用する、2026 年 9 月時点)。

方向手段可否
ターミナル → クラウド(新規セッション)claude --cloud "タスク"(本記事の実機検証では v2.1.145 に --cloud が存在しなかった。unknown option になる場合はそちらを参照)できる
クラウド → ターミナルclaude --teleport/teleport/tp)、/taskst、Web の Open in CLIできる
ターミナル → クラウド(進行中のセッション)できない
Desktop → Web / IDE(進行中のセッション)Desktop の Continue in メニューできる

つまり、「ターミナルで書き始めた作業を、そのままクラウドへ引き渡す」ことは CLI からはできません。 進行中のセッションを別のサーフェスへ送りたい場合はClaude Code デスクトップアプリの Continue inを使うか、Remote Control で外から覗く形にします。Desktop から Web への送信にはクリーンなワーキングツリーが必要で、SSH セッションでは利用できません。

--teleport の 4 つの前提条件

--teleport でクラウドセッションを手元に引くときは、次の 4 条件がチェックされます。

  1. クリーンな git 状態(未コミットの変更があるとスタッシュを求められる)
  2. 正しいリポジトリ(フォークではなく同じリポジトリのチェックアウトから実行する)
  3. ブランチがリモートにプッシュ済み(teleport が自動でフェッチしてチェックアウトする)
  4. 同じ claude.ai アカウントで認証されている

--teleport--resume とは別物です。--resume はこのマシンのローカル履歴から会話を再開するもので、クラウドセッションは一覧に出ません。

(出典: ウェブ上の Claude Code を使用するDesktop application。いずれも 2026 年 9 月時点)

企業で使うときの論点 ── データ所在・管理者トグル・共有可視性

組織で使うかどうかの判断は、機能比較ではなく「そもそも使えるか」の確認から始めます。 2026 年 9 月時点で、次の 3 条件のいずれかに当てはまる組織は、該当機能を使えません。

条件影響
Zero Data Retention が有効/web-setup を含むクラウドセッション機能が使えない。Remote Control も有効化できない
IP 許可リストを有効化しているクラウドセッションは Anthropic 管理インフラから API を呼ぶため、すべてのクラウドセッションが認証エラーで失敗する。Code Review と Routines も同様
Bedrock / Google Cloud の Agent Platform / Microsoft Foundry 経由で利用Remote Control が利用できない。ANTHROPIC_BASE_URL を LLM ゲートウェイに向けている場合も同様(v2.1.196 以降)

IP 許可リストについては、Anthropic サポートに連絡して Anthropic ホスト型サービスを許可リストから除外する運用が案内されています。

この 3 条件は「組織の設定次第では解除できない」たぐいの前提条件です。 次項では、これとは別に管理者が日常的にオン・オフできるトグルを一覧にします。

管理者が握っている 8 つのトグル

使えることが確認できたら、次は誰が何をオン・オフできるかです。上の 3 条件に当てはまらない組織でも、ここがオフなら使えません。

#トグル場所既定効果
1Code in the webclaude.ai/admin-settings/claude-code組織の Web セッションを有効/無効にする。オフだと Claude Code on the web がそもそも使えない
2Code in the desktop同上組織内のユーザーがデスクトップアプリで Claude Code にアクセスできるかを制御
3Remote Control同上オフ(Team / Enterprise)オフのままだとメンバーは Remote Control を使えない
4Require trusted devices同上(Remote Control 設定の下)オフ(ベータ)デバイス登録+18 時間以内のサインインを必須化。トグル有効化前から動いていたセッションは遡及保護されない
5Disable Bypass permissions mode同上組織内のユーザーが bypass permissions モードを有効にするのを防ぐ
6Quick web setup同上メンバーによる /web-setupgh トークン同期)を無効化できる
7Cloud environmentsclaude.ai/admin-settings組織共有のクラウド環境を作成・編集・アーカイブ。既定環境も指定可
8disableRemoteControl端末の管理設定ファイル未設定組織全体のトグルとは独立に、その端末で Remote Control を無効化

1〜6 は同じ画面(claude.ai/admin-settings/claude-code)に並んでいます。 「クラウドセッションが作れない」「Remote Control may not be available for this organization と出る」といった症状は、コンプライアンス設定ではなくこの画面のトグルが原因であることが少なくありません。

(出典: Remote Controlウェブ上の Claude Code を使用するDesktop application。いずれも 2026 年 9 月時点)

組織共有のクラウド環境にもシークレットは置くべきではありません。 個人環境と同様に専用シークレットストアが無く、値はその環境のすべてのメンバーのセッションに届くため、公式ドキュメントも「シークレットを含めないでください」と案内しています。

情シスへそのまま送れる確認テンプレ

導入検討時に、情シス・IT 部門へ次の 9 問を投げれば必要な判断材料がそろいます。

【Claude Code のWeb版・Remote Control 利用可否の確認】

1. 当社の Claude 契約は Pro / Max / Team / Enterprise のどれですか。
   Enterprise の場合、プレミアムシートまたは Chat + Claude Code シートは付与されていますか。
2. Zero Data Retention(ZDR)は有効になっていますか。
   → 有効な場合、クラウドセッション(Web版)と Remote Control は利用できません。
3. IP 許可リスト(IP allowlisting)は有効になっていますか。
   → 有効な場合、すべてのクラウドセッションが認証エラーになります。
4. Claude Code の接続先は api.anthropic.com ですか。
   Bedrock / Google Cloud の Agent Platform / Microsoft Foundry、
   または LLM ゲートウェイ経由の場合は Remote Control が使えません。
5. 管理コンソール(claude.ai/admin-settings/claude-code)の
   Code in the web トグルは有効ですか。
   → オフだと Claude Code on the web が組織全体で使えません。
6. 同じ画面の Remote Control トグルは有効ですか。既定はオフです。
   Code in the desktop(デスクトップアプリでの利用可否)もあわせて確認してください。
7. Require trusted devices を有効にする方針はありますか。
   有効にする場合、メンバーは端末ごとに1回の登録と、18時間ごとの生体認証が必要になります。
8. Quick web setup(/web-setup)をメンバーに許可しますか。
   許可すると、各自のローカル gh トークンが Claude アカウントに同期されます。
9. クラウドセッションからアクセスできるリポジトリの範囲は、
   GitHub 側のチーム/リポジトリ メンバーシップで制御する前提でよいですか。
   (Claude GitHub App のインストール範囲はアクセス制御になりません)

契約形態そのものの検討はClaudeの法人契約(Team / Enterprise)の選び方、セキュリティ設定全般はClaude Code のセキュリティとエンタープライズ設定で扱っています。

見落としやすい 3 つの運用リスク

  1. Pro / Max の Public 共有: セッション共有の可視性で述べたとおり、個人プランで社用コードを触る運用は、共有設定の事故が起きたときの射程が組織プランと違います
  2. Auto-fix と PR コメント連動の自動化: Auto-fix を有効にすると Claude が GitHub のレビューコメントスレッドに返信することがあります。返信はユーザーの GitHub アカウントで投稿されます(各返信には Claude Code 由来のラベルが付きます)。Atlantis や Terraform Cloud のように issue_comment イベントで動く自動化があるリポジトリでは、Claude の返信がそれらのワークフローを起動しうるため、有効化前に確認が必要です
  3. 並列実行とレート制限: クラウド VM への追加コンピュート料金はありませんが、レート制限はアカウント内の他の Claude / Claude Code 利用と共有です。並列でタスクを走らせるほどレート枠を消費します

何が「追える」のか ── コミットに残るセッション URL

稟議や監査の文脈では「誰が何を承認したか」を聞かれます。この点について公式ドキュメントが定めているのは次の一点です。Claude がクラウドセッションで作成したコミットには Claude-Session: <url> という git トレーラーが付き、PR 本文にもセッション URL が独立した行で入ります(v2.1.179 以降)。つまり、後から「この変更はどのセッションで生まれたか」をコミットから逆に辿れます。

逆に言えば、トレーラーを消す設定も存在します。 attribution.sessionUrlfalse にするとトレーラーと PR 本文のリンクの両方が省略されます(設定自体は v2.1.182 以降)。追跡可能性を運用ルールにするなら、この設定を無効化しない方針を先に決めておく必要があります。

なお、これはあくまで「変更とセッションの紐付け」であって、方針を誰が承認したかの記録ではありません。Plan モードで提示された方針に「進めて」と返すのは会話上のやりとりなので、決裁として残す必要があるなら議事録や Issue へ別途記録する運用を決めてください。

(出典: クラウド環境を設定する、2026 年 9 月時点)

非エンジニアの業務利用シナリオ

Claude Code on the web は GitHub リポジトリを対象にしますが、リポジトリに入っているのはソースコードだけとは限りません。 設定ファイル、Markdown のドキュメント、CSV、テンプレート ── これらを扱うなら、非エンジニアでも実用になります。ローカル環境の構築が不要な Web 版は、特にこの層と相性が良い入口です。

場面使う入口具体例
社内ドキュメントの一括更新Web 版製品名の変更を、リポジトリ内の全 Markdown に反映して PR を作る
移動中のレビュースマホ(経路 A)前日に投げたタスクの diff をスマホで確認し、インラインコメントで差し戻す
承認だけリモートでスマホ(経路 B / Remote Control)会議中に PC のセッションが許可を求めてきたら、プッシュ通知から承認する
仕様の調査Web 版「この機能はどこで実装されているか」をローカルにクローンせず調べる
定型レポートの生成Web 版リポジトリ内のデータから定型フォーマットのレポートを生成し、ブランチに積む

ポイントは、Web 版のセッションは必ず「ブランチ」という形で成果が残ることです。いきなり本番が書き換わることはなく、レビューを経て PR にする流れが組み込まれています。承認プロセスを崩さずに AI を業務へ差し込めるという意味で、管理側にとっても扱いやすい形式です。

非エンジニア向けの具体的なタスク例はClaude Codeとは(エンジニア以外でも使える実践タスク5選)にまとめています。

うまくいかないときの切り分け

エラーメッセージから原因を引く早見表です。

症状・メッセージ原因対処
Remote Control には claude.ai サブスクリプションが必要ですclaude.ai アカウントで認証されていないclaude auth login で claude.ai を選ぶ。ANTHROPIC_API_KEY が設定されていれば解除する
Remote Control には完全スコープのログイントークンが必要ですclaude setup-tokenCLAUDE_CODE_OAUTH_TOKEN の長命トークンは推論限定claude auth login でフルスコープのセッショントークンを取得する
Remote Control は組織のポリシーで無効になっています①API キー認証 ②管理者トグルがオフ ③データ保持設定と非互換 ④disableRemoteControlまず /status でログイン方法とプランを確認する
組織は Remote Control に信頼できるデバイスを要求していますが、このデバイスは登録されていませんTrusted Devices が有効で未登録Claude Code で /login(登録はサインインの一部。別コマンドは無い)
Remote Control は ... api.anthropic.com を使用している場合にのみ利用可能ですBedrock / Agent Platform / Foundry、または ANTHROPIC_BASE_URL が別ホストANTHROPIC_BASE_URL を解除してセッションを再開する
Session creation failedクラウド環境を割り当てられなかったstatus.claude.com を確認し 1 分後に再試行。リポジトリに到達できるかも確認
... its environment has expired.非アクティブでクラウド環境が回収されたclaude.ai/code からセッションを開き直すと会話履歴つきで新環境が用意される
セットアップスクリプトが失敗する終了コードが 0 以外/ネットワークレベルが None /新規クローンに無いパスを参照スクリプト先頭に set -x を足す。重要でないコマンドには `
新セッションがセットアップでハングするスクリプトが約 5 分の予算を超えている&wait で並列化する。大きなダウンロードは SessionStart フックへ移す
ヘルプに載っているフラグが動かない手元のバージョンが古いclaude --version を確認し更新する(実機検証の節を参照)
プッシュ通知が来ない/config が「No mobile registered」/iOS のフォーカスモード/Android のバッテリー最適化スマホで Claude アプリを開いてトークンを更新。OS 側の通知設定を確認

(エラー文言と対処の出典: Remote Controlウェブ上の Claude Code を使用するClaude Code をウェブで始める。いずれも 2026 年 9 月時点)

よくある質問

まとめと次のステップ

Claude Code の「ターミナル以外の入口」は 2026 年 9 月時点で 5 系統ありますが、選ぶ軸は「ローカル環境が要るか」と「PC が起動しているか」の 2 問だけです。

  • ローカル環境が要らない → Claude Code on the web(claude.ai/code)。セットアップが最も軽く、PC の電源も不要
  • ローカル環境が要る → Remote Control。ファイル・MCP・プロジェクト設定がそのまま使えるが、PC が動き続けている必要がある
  • スマホは操作画面であって実行環境ではない。上のどちらに接続しているかで、できることが変わる
  • 企業で使うなら、機能比較より先に「そもそも使えるか」(ZDR / IP 許可リスト / Bedrock 等の経由)を確認する
  • ドキュメントどおりに動かないときは、まず claude --version。実機検証で示したとおり、バージョン境界が原因であることが少なくない

次に読むべき記事は、目的によって分かれます。デスクトップアプリで並列セッションを回したいならClaude Code デスクトップアプリ並列ガイド、定期実行や PR 起動の自動化ならClaude Code Routines の 3 トリガー、そもそもの導入手順からならClaude Code のインストール手順、機能の全体像を押さえたいならClaude Code完全ガイドへ進んでください。

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