INTERVIEW開発事例EC・D2C支援

「一から十まで言わなくても、理解してくれる」要件が固まる前から任せた、EC経営支援ツールの共同開発

取材日 2026.10.22約10分で読めます
株式会社ツナグ
株式会社ツナグEC×物流 データグロースパートナー(シンメイグループ)
開発したもの
EC経営支援ツール
種別
新規Webアプリケーション
期間
約6ヶ月(2フェーズ)
TSUNAGU CYCLEのダッシュボード。左のサイドバーに分析・データ・予測・管理のメニューが並び、GMV推移・リピート率・返品率を表示(撮影用サンプルデータ)
TSUNAGU CYCLEのダッシュボード。GMVの推移やリピート率など、経営指標をひと目で確認できる。左のメニューから顧客・商品・購入・返品の分析や事業計画へ(画面の数値は撮影用サンプルデータ)
モック提示からフェーズ2完了まで
約6ヶ月
要件未定の新機能も含めてリリース
2フェーズ
現場からの要望・指摘
81件
すべて対応を完了
100%

この事例のポイント

相談前の状況広告・購買・顧客のデータが別々のツールにあり、横断して見られない。新機能は構想だけで要件が未定だった。
koromoに決めた理由オリエン直後に動くモックが出てきたこと。伝えきれていない意図まで汲み取り、提案してくれたこと。
進め方と現在地約6ヶ月で2フェーズをリリース。現場からの要望・指摘81件にすべて対応。実データでの運用はこれから。

こんな方に読んでほしい事例です

  • やりたいことはあるが、要件がまだ固まっていない
  • スプレッドシートや既存ツールでの運用に限界を感じている
  • 現場の声を反映しながら、一緒につくれる開発会社を探している
石澤 隼平氏
石澤 隼平株式会社ツナグ 取締役TSUNAGU CYCLEの企画・要件定義
水出 望美氏
水出 望美株式会社ツナグ マネージャーEC運用の実務、広告要件の整理と受け入れテスト

「やりたいことはある。でも、要件はまだ固まっていない」。新しいプロダクトを外部に依頼するとき、多くの事業会社が最初にぶつかる壁です。

株式会社ツナグは、EC事業者の売上と利益を一本の線で見られるツール「TSUNAGU CYCLE(つなぐサイクル)」を、構想段階からkoromoと一緒につくりました。何を基準に依頼先を選び、要件が決まっていない部分をどう形にしていったのか。企画を担った石澤氏と、現場で受け入れテスト(リリース前に、実際の業務目線で動作を確かめる工程)を担った水出氏に伺いました。

01

つくりたかったのは、散らばったデータを「経営の一本の線」にするツール

――「つなぐサイクル」は、どんな課題を解決するプロダクトですか。

石澤

EC事業者は、顧客のデータと、広告費や広告の成果といったデータを、それぞれ別のツールで見ているんです。複数のツールを行き来する必要があり、数値が一つの軸で揃っていないため、運用の負担が大きい状態でした。

それを一つに統合して、どんなお客様がどう買っているのか、売上と利益、そこにかかるコストまでを一つの画面で見られるようにする。マーケティングツールではなく、売上と利益を最大化するための経営ツールという位置づけです。

――最初はスプレッドシートでつくる案もありましたよね。

石澤

数字をまとめるだけならできるんです。ただ、運用に乗せようとすると見せ方に限界があるし、データ量の多いクライアントでは収まりきりません。本格的なシステムでなければ、「データを一元管理する」というところにはたどり着かないと判断しました。

02

依頼先に求めたのは、「最初から100%を求めない」相手

――開発会社を選ぶとき、何を一番気にしていましたか。

石澤

要件定義はもちろんするんですけど、細かいところは実際に動かしてみないとわからないんです。「このシステムは何のために、どう使うんだっけ」というところから一緒に考えてくれるか。それと、伴走してもらえるか。開発して終わりじゃなくて、運用を始めてからが本番なので。

以前、小さな修正でも最初から「お金がかかります」と言われる経験をしたことがあって。それだと、最初から100%完璧な要件を出さなきゃいけない。でも私たちはエンジニアではないので、そこまでは把握しきれないんです。

――その中で、koromoに決めた理由は。

石澤

オリエンの段階で、すぐにモックを出してくれたスピードですね。デザインも、大枠では自分たちがイメージしていたものに近かった。

それと、こちらが全部を伝えきれていない中でも「ここってこういうことだから、多分こうしたほうがいいですよね」と言ってくれる。その理解力と提案力が、圧倒的に高かったんです。

初期プロトタイプの購入分析画面。チャネルごとのリピート率やLTVを比較する表(デモ表示)
初期プロトタイプの購入分析画面。チャネルごとのリピート率やLTVを横並びで比較できる。早い段階から、動く画面を見ながら話せるようにした(プロトタイプ内のデモ表示)

――実際に進めてみて、どうでしたか。

石澤

「こういうシステムなので、こういう解釈で、こう実装しました」という説明が、的確でした。むしろ、こちらが思いついていなかったところまで汲み取って、先回りしてやってくれていました。

CRMのようなシステムへの理解が前提としてあったのは大きいと思います。あとは、それを理解しようとするエンジニア側の姿勢ですね。

こちらが思いついていなかったところまで汲み取って、先回りしてやってくれた
石澤氏
03

「どう見えて、何の役に立つのか」もわからなかった構想が、画面になるまで

――第2弾の開発(フェーズ2)は、ほぼ構想だけの状態から始まりましたね。

石澤

依頼したタイミングでは、要件はほとんど定まっていませんでした。広告のデータを商品ごとに紐づけて見える化する、というところまでは構想にあった。でも「実際それがどう見えて、何の役に立つのか」は見えていませんでした。

そこを、やりながら「こうしてほしい」を入れていって、形にしてもらった。費用をかければ実現できる、というものではなく、他の会社だったら今の完成形にはならなかったんじゃないかと思います。

BEFORE水出氏がExcelで描いてきた「こう見たい」。売上の山とセール期間を1枚で(イメージを簡略化)
AFTERリリースした売上・広告・セール分析の画面。全モールの売上・広告実績のグラフの下に、楽天・Yahoo・Amazonのセール期間が並ぶ(撮影用サンプルデータ)リリースした画面。売上・広告の推移とモールごとのセール期間を、同じ時間軸で(サンプルデータ)

――出てきた画面を見て、違和感はありませんでしたか。

石澤

なかったですね。今まで触ってきたツールなら当然あるような機能や見せ方を、こちらは指定していなかったんですが、上がってきたものにはちゃんと含まれていた。想像より細かくデータが見えるようになっていて、期待以上でした。

商品ごとのコストウォーターフォール。売上金額から商品原価・販売手数料・物流費・返品費・広告費を差し引き、残余利益を表示(撮影用サンプルデータ)
フェーズ2で加わった「コストウォーターフォール」。売上から原価・手数料・物流費・広告費などを差し引き、商品ごとに本当に残る利益まで見える(撮影用サンプルデータ)
04

普段の進め方:気づいたことは、遠慮なく1行で

開発中のやり取りは、定例ミーティングとSlack、そして共有の「フィードバックシート」が中心でした。現場で触って気づいたことを1件1行で書き込み、開発側が同じ行で対応内容を返す。この往復が、要件を固める作業そのものになっていきました。

プロジェクトの体制
株式会社ツナグ
石澤氏 企画・要件の判断水出氏 広告要件の整理・受け入れテスト
koromo
笠原 元輝 代表取締役・PdM開発チーム 設計・開発・テスト支援
事業を判断する人と、毎日数字を見る人。発注側の2つの目線に、開発側が直接向き合う体制
  1. 1
    現場が書き込む画面・種類(要望/不具合/質問)・優先度を選び、気づいたことを1行で
  2. 2
    意図をすり合わせる週1回の定例とSlackで「なぜ必要か」を確認
  3. 3
    直して、同じ行で報告何をどう変えたかを、書き込まれた行に返信
  4. 4
    現場が確かめる実際に触ってOKなら完了。81件すべて対応済み
実際に使ったフィードバックシート7月〜10月・81件
UAT フィードバックシート:フィードバック
1ID起票日起票者画面種別優先度ステータス再確認
39FB-0387/26水出データ取込不具合低完了OK
40FB-0397/27石澤購入分析不具合高完了OK
51FB-0509/16水出全般要望中完了OK
57FB-05610/5水出ダッシュボード 他分析画面要望高完了OK
59FB-05810/5水出全モール共通のセール要望高完了OK
77FB-07610/14水出ダッシュボード>在庫回転率要望中完了OK
82FB-08110/15水出商品分析テーブル>クロスセル率要望中完了OK
… ほか74件
81件の内訳
要望 41件不具合 14件質問 6件その他(文言・データ確認・確認項目の記録など) 20件
要望・不具合・質問を1件1行で。いちばん多いのは「要望」。現場で使ってみて初めて出てくる声が、仕様の大半をつくった
現場の声と、その対応(抜粋)全81件・すべて対応済み
FB-056 · ダッシュボード · 水出確認OK
現場の声「直近30日」だけだと、見る日によって期間がずれる。「先月の実績は?」という話をするのが難しい。
対応カレンダーで期間を指定できるようにし、「今月・先月・今年・昨年」も追加。
FB-058 · セール設定 · 水出確認OK
現場の声モール共通のセールは、1つ入力すればどの店舗にも反映したい。全店舗に同じ情報を入れるのは大変。
対応1回の登録で全ブランドに反映。ブランドごとに表示の切り替えも可能に。
FB-076 · 在庫回転率 · 水出確認OK
現場の声同梱物(パンフレットやサンプル)や資材は多めに在庫を持つので、在庫回転率が悪く見えてしまう。
対応在庫回転率の集計対象を、商品区分「商品」に限定。
FB-050 · 全般 · 水出確認OK
現場の声金額の項目に、税込か税抜かの表示を入れてほしい。
対応広告実績以外の金額を税込に統一し、画面とCSVに「(税込)」を明記。
原文から抜粋。毎日数字を見る人にしか書けない要望が、そのまま仕様になっていった

――現場で確認していて、印象に残っていることはありますか。

水出

対応の速さが印象に残っています。整理しきれていない要望を数多く書き込んでも、一つひとつ丁寧に対応していただきました。後から追加した要望も少なくありませんでしたが、本当にありがたかったです。

――確認する側の負担は、どうでしたか。

石澤

過去に別のシステムをつくったときは、「こう操作した結果が正常か確認しろ」というテスト項目がはるかに多かったんです。今回は確認しやすかったですね。

UAT Phase2 確認用チェックリストの表紙表紙
確認用チェック項目一覧のページ確認項目12の一覧
UAT-24 商品詳細の利益構造を確認する手順のページ手順と期待値(例:UAT-24)
実際に配布したフェーズ2の確認ガイド(全21ページ)。各ページに「何を押すか」と「何円と出れば正しいか」を書いた
約6ヶ月の流れ
  1. 4月オリエン・モック提示 動く画面を見ながら要件を固める
  2. 4〜6月フェーズ1 開発 データ取込、顧客・商品・購入の分析
  3. 7月フェーズ1 確認・検収 確認項目18
  4. 8〜9月フェーズ2 開発 構想だけだった広告×商品の分析
  5. 9〜10月フェーズ2 確認 確認項目12。実データで仕上げ
要件が固まっていなくても、相談できます構想やいま困っていることから、一緒に整理します
相談してみる
05

もっと良くできたこと:テストデータを、実データに近く

――改善してほしかった点も、率直に教えてください。

水出

テストデータも用意してもらっていたんですが、全項目ではなかったので、想定されるデータを自分で作成して投入しました。そこで気づいた点を、フェーズ2で数多く書き込んでいます。最初のデータがもっと揃っていたら、こちらから言わなくても先に気づけたところがあったかもしれません。量としては、ちょうどいいくらいだったと思います。

06

「言われたことだけ」ではない開発会社

――開発中には、次のフェーズを見据えて「こういう機能もあると良い」という話もしていました。

石澤

開発会社からそういう話をされたことは、過去ほぼないんです。後になって「あのとき言ってもらえれば、一緒に実装できたんですけどね」と言われたことはありますが。

でも、本当はあったほうがうれしい。企画チームを組んでも、見ている方向は全員同じなんです。実装する人がプロダクトを理解したうえで「こういう見せ方もあったら、こんなことができそうじゃないですか」と言ってくれると、違う目線で見直せる。こちらは作る側じゃないので、何ができるのかを教えてもらえるのは、いろんな面でありがたいです。

07

これから:実データで成果を出すフェーズへ

――今後、このプロダクトで実現したいことは。

石澤

やっと形になったばかりなので、これから実データを取り込んで、コンサルティングや運用代行の中で生かしていきます。「これがあることで、こういう成果が出ました」と言えるものを出していきたい。ツールはあくまでサービスの一部として、サービス全体を底上げするために育てていきたいと思っています。

08

開発会社を探している方へ

――同じように開発を検討している会社から相談されたら、koromoのことをどう伝えますか。

石澤

迷わず薦めます。

一から十まで言わなくても理解してくれて、「ここはこうしたほうがいいよ」と提案してくれる。成果物も、何往復も直さなくても最初の提出で8割程度まで仕上げてくる。そういうパートナーとして、自信を持って紹介できます。

水出

丁寧に対応していただいたので、自信を持って薦められます。石澤と同じ意見です。

一から十まで言わなくても理解してくれて、最初の提出で8割程度まで仕上げてくる
石澤氏
COMPANY株式会社ツナグ
株式会社ツナグEC×物流 データグロースパートナー。EC事業者の事業支援(ECコンサルティングなど)を行う、シンメイホールディングス株式会社のグループ会社
開発したもの
EC経営支援ツール「TSUNAGU CYCLE」
期間
約6ヶ月(フェーズ1・2)
koromoの担当
要件定義からUI設計、開発、受け入れテスト支援まで一貫して担当

要件が固まっていなくても、
相談してください。

「やりたいこと」と「今困っていること」を聞かせてください。最初に確かめること、最初につくる範囲、進め方を一緒に整理するところから始めます。

要件が決まっていなくても、 まず話してください。

  • 代表が直接、1 営業日以内にお返事します
  • 要件が決まっていなくても大丈夫です
  • 費用は、作る範囲を決めてからお出しします
  • ご依頼・導入のご相談なら、送信のあとに 30 分の相談日時も選べます