この事例のポイント
こんな方に読んでほしい事例です
- やりたいことはあるが、要件がまだ固まっていない
- スプレッドシートや既存ツールでの運用に限界を感じている
- 現場の声を反映しながら、一緒につくれる開発会社を探している


「やりたいことはある。でも、要件はまだ固まっていない」。新しいプロダクトを外部に依頼するとき、多くの事業会社が最初にぶつかる壁です。
株式会社ツナグは、EC事業者の売上と利益を一本の線で見られるツール「TSUNAGU CYCLE(つなぐサイクル)」を、構想段階からkoromoと一緒につくりました。何を基準に依頼先を選び、要件が決まっていない部分をどう形にしていったのか。企画を担った石澤氏と、現場で受け入れテスト(リリース前に、実際の業務目線で動作を確かめる工程)を担った水出氏に伺いました。
つくりたかったのは、散らばったデータを「経営の一本の線」にするツール
――「つなぐサイクル」は、どんな課題を解決するプロダクトですか。
EC事業者は、顧客のデータと、広告費や広告の成果といったデータを、それぞれ別のツールで見ているんです。複数のツールを行き来する必要があり、数値が一つの軸で揃っていないため、運用の負担が大きい状態でした。
それを一つに統合して、どんなお客様がどう買っているのか、売上と利益、そこにかかるコストまでを一つの画面で見られるようにする。マーケティングツールではなく、売上と利益を最大化するための経営ツールという位置づけです。
――最初はスプレッドシートでつくる案もありましたよね。
数字をまとめるだけならできるんです。ただ、運用に乗せようとすると見せ方に限界があるし、データ量の多いクライアントでは収まりきりません。本格的なシステムでなければ、「データを一元管理する」というところにはたどり着かないと判断しました。
依頼先に求めたのは、「最初から100%を求めない」相手
――開発会社を選ぶとき、何を一番気にしていましたか。
要件定義はもちろんするんですけど、細かいところは実際に動かしてみないとわからないんです。「このシステムは何のために、どう使うんだっけ」というところから一緒に考えてくれるか。それと、伴走してもらえるか。開発して終わりじゃなくて、運用を始めてからが本番なので。
以前、小さな修正でも最初から「お金がかかります」と言われる経験をしたことがあって。それだと、最初から100%完璧な要件を出さなきゃいけない。でも私たちはエンジニアではないので、そこまでは把握しきれないんです。
――その中で、koromoに決めた理由は。
オリエンの段階で、すぐにモックを出してくれたスピードですね。デザインも、大枠では自分たちがイメージしていたものに近かった。
それと、こちらが全部を伝えきれていない中でも「ここってこういうことだから、多分こうしたほうがいいですよね」と言ってくれる。その理解力と提案力が、圧倒的に高かったんです。

――実際に進めてみて、どうでしたか。
「こういうシステムなので、こういう解釈で、こう実装しました」という説明が、的確でした。むしろ、こちらが思いついていなかったところまで汲み取って、先回りしてやってくれていました。
CRMのようなシステムへの理解が前提としてあったのは大きいと思います。あとは、それを理解しようとするエンジニア側の姿勢ですね。
こちらが思いついていなかったところまで汲み取って、先回りしてやってくれた
「どう見えて、何の役に立つのか」もわからなかった構想が、画面になるまで
――第2弾の開発(フェーズ2)は、ほぼ構想だけの状態から始まりましたね。
依頼したタイミングでは、要件はほとんど定まっていませんでした。広告のデータを商品ごとに紐づけて見える化する、というところまでは構想にあった。でも「実際それがどう見えて、何の役に立つのか」は見えていませんでした。
そこを、やりながら「こうしてほしい」を入れていって、形にしてもらった。費用をかければ実現できる、というものではなく、他の会社だったら今の完成形にはならなかったんじゃないかと思います。
リリースした画面。売上・広告の推移とモールごとのセール期間を、同じ時間軸で(サンプルデータ)――出てきた画面を見て、違和感はありませんでしたか。
なかったですね。今まで触ってきたツールなら当然あるような機能や見せ方を、こちらは指定していなかったんですが、上がってきたものにはちゃんと含まれていた。想像より細かくデータが見えるようになっていて、期待以上でした。

普段の進め方:気づいたことは、遠慮なく1行で
開発中のやり取りは、定例ミーティングとSlack、そして共有の「フィードバックシート」が中心でした。現場で触って気づいたことを1件1行で書き込み、開発側が同じ行で対応内容を返す。この往復が、要件を固める作業そのものになっていきました。
- 1現場が書き込む画面・種類(要望/不具合/質問)・優先度を選び、気づいたことを1行で
- 2意図をすり合わせる週1回の定例とSlackで「なぜ必要か」を確認
- 3直して、同じ行で報告何をどう変えたかを、書き込まれた行に返信
- 4現場が確かめる実際に触ってOKなら完了。81件すべて対応済み
――現場で確認していて、印象に残っていることはありますか。
対応の速さが印象に残っています。整理しきれていない要望を数多く書き込んでも、一つひとつ丁寧に対応していただきました。後から追加した要望も少なくありませんでしたが、本当にありがたかったです。
――確認する側の負担は、どうでしたか。
過去に別のシステムをつくったときは、「こう操作した結果が正常か確認しろ」というテスト項目がはるかに多かったんです。今回は確認しやすかったですね。
表紙
確認項目12の一覧
手順と期待値(例:UAT-24)- 4月オリエン・モック提示 動く画面を見ながら要件を固める
- 4〜6月フェーズ1 開発 データ取込、顧客・商品・購入の分析
- 7月フェーズ1 確認・検収 確認項目18
- 8〜9月フェーズ2 開発 構想だけだった広告×商品の分析
- 9〜10月フェーズ2 確認 確認項目12。実データで仕上げ
もっと良くできたこと:テストデータを、実データに近く
――改善してほしかった点も、率直に教えてください。
テストデータも用意してもらっていたんですが、全項目ではなかったので、想定されるデータを自分で作成して投入しました。そこで気づいた点を、フェーズ2で数多く書き込んでいます。最初のデータがもっと揃っていたら、こちらから言わなくても先に気づけたところがあったかもしれません。量としては、ちょうどいいくらいだったと思います。
「言われたことだけ」ではない開発会社
――開発中には、次のフェーズを見据えて「こういう機能もあると良い」という話もしていました。
開発会社からそういう話をされたことは、過去ほぼないんです。後になって「あのとき言ってもらえれば、一緒に実装できたんですけどね」と言われたことはありますが。
でも、本当はあったほうがうれしい。企画チームを組んでも、見ている方向は全員同じなんです。実装する人がプロダクトを理解したうえで「こういう見せ方もあったら、こんなことができそうじゃないですか」と言ってくれると、違う目線で見直せる。こちらは作る側じゃないので、何ができるのかを教えてもらえるのは、いろんな面でありがたいです。
これから:実データで成果を出すフェーズへ
――今後、このプロダクトで実現したいことは。
やっと形になったばかりなので、これから実データを取り込んで、コンサルティングや運用代行の中で生かしていきます。「これがあることで、こういう成果が出ました」と言えるものを出していきたい。ツールはあくまでサービスの一部として、サービス全体を底上げするために育てていきたいと思っています。
開発会社を探している方へ
――同じように開発を検討している会社から相談されたら、koromoのことをどう伝えますか。
迷わず薦めます。
一から十まで言わなくても理解してくれて、「ここはこうしたほうがいいよ」と提案してくれる。成果物も、何往復も直さなくても最初の提出で8割程度まで仕上げてくる。そういうパートナーとして、自信を持って紹介できます。
丁寧に対応していただいたので、自信を持って薦められます。石澤と同じ意見です。
一から十まで言わなくても理解してくれて、最初の提出で8割程度まで仕上げてくる
- 開発したもの
- EC経営支援ツール「TSUNAGU CYCLE」
- 期間
- 約6ヶ月(フェーズ1・2)
- koromoの担当
- 要件定義からUI設計、開発、受け入れテスト支援まで一貫して担当
